信州徘徊~ず林道ツーリング プロローグ
登朗は朝3:30に目が覚めた。
再び布団に入り込むも寝付けずモンモンとしていた。
早いとは思ったが6時には家をでる事にした。
XLのエンジンがかかるか心配だったがキック10回ほどでかかった。
R20を南下する。
途中気になったオートスナックへ
高校時代に友人とツーリングに行けば必ず寄った場所だ。
わかってはいたがラーメン等の自販機はなかった。ザンネン
エンジンは快調だった。
登朗のかかえたOHC4バルブ249ccの心臓部から吐き出されるエキゾーストの音は
排気量こそ少ないが確かに単コロと呼ばれるものと同一であると主張していた。
冷えたアスファルトのグリップを気にしながらも登朗は確実にコーナーをトレースしていった。
しばらくすると赤い橋が見えた。
東沢橋だ。
登朗はここで休憩をした。
火をつけたタバコの手が震えた。
旅行中と思われる老夫婦が声をかけてきた。
「オートバイは寒いでしょう?」
「いや。雪もないしまだ大丈夫ですよ」
強がりだった。(T△T)
R141にでて左折。
(遮断機のある踏み切り近くにて)
8時30分松原湖に到着。
湖は閑散としていた。
紅葉の時期もすぎ朝も早いせいか人もいない。
今日走るところに雪はあるだろうか?
待ち合わせはどこにしようかとなどと悩んでいるとトイレに行きたくなった。
散歩と思われる地元のおじいさんがいた。
「トイレはどこにありますか?」
「上に無料の駐車場があるからそこに行くとあるで」
登朗は向かった。
ちょうどその上の方から一台のオフロード車が下りてきた。
ここに来るまでにオートバイには一台も会わなかった。
マシンはわからなかったがクラブの人間ではないな。
そう思った。
すれ違いざまにその赤いマシンはUターンして近づいてきた。
マスクとジョットヘルから半分顔が見えた。
お会いするのは初めてだったがすぐにわかった。
高校時代の親友に久しぶりに再会を果たしたような感覚だろうか?
「おほようございます。」と男が言った。
伊勢原五郎だった。